子どもの発達を支える放課後の過ごし方
子どもたちが放課後をどのように過ごすかは、その後の人生に大きな影響を与えます。東急キッズベースキャンプの代表、島根太郎氏が手がけた初の著書『子どもの人生が変わる放課後時間の使い方』では、その重要性について深く掘り下げています。
書籍の背景
KBC(東急キッズベースキャンプ)は、東京と神奈川で民間学童保育施設を運営しており、放課後の時間を「消費」から「投資」に変えることを目指しています。島根氏自身、子どもが「学童がつまらない」と言って脱走した経験から、子どもたちが楽しく過ごせる環境づくりに取り組んできました。彼の持つ理念や教育方法は、多くの子どもたちに喜ばれる実績を作ってきました。
目次に見る本書の内容
本書は、「自由時間」の欠如から始まり、人間力を育むための具体的な実践例が紹介されています。特に、自分で選べる時間が子どもの主体性を育て、社会で必要とされる「非認知能力」を高めることが強調されています。必要なのは、時間を過ごす方法を見直すこと。放課後の時間が無駄なものではなく、成長の源となることがわかります。
非認知能力とは?
非認知能力とは、自己肯定感やコミュニケーション能力、意思決定能力など、数値化できないスキルのことを指します。島根氏は、これらのスキルが2020年からの教育指導要領でも重視されていることを挙げ、将来の仕事や人間関係に大きな影響を与えることを解説しています。このような能力を育むためには、子どもたちに「余白」の時間を与え、自由に思考する機会が必要です。
余白時間の価値
何も考えずにぼーっとする時間も、実は脳にとって非常に大切です。この「余白」が子どもたちには必要で、彼らが自由に遊ぶ時間を持つことで、好奇心や探求心が自然に育まれます。島根氏は、そのために大人が意識して教育活動を詰め込みすぎないことの必要性を説いています。
家庭でのアプローチ
家庭でもできる「人間力」の育み方として、島根氏は「コーチング」の技術が重要だと語ります。ただ指示するのではなく、子どもたちの考えや気持ちを尊重することで、自発性を引き出す方法が紹介されています。これにより、親子の信頼関係が深まり、子どもは自分の意見を声に出すことができるようになります。
著者プロフィールとKBCの理念
島根太郎氏は、心理学を活かした教育事業の背景を持ちながら、2006年にKBCを創業し、今日まで民間学童保育のパイオニアとして活躍してきました。彼の持つ理念は、従来の学童と異なり、社会で求められる能力を育むことに重きを置いています。KBCは、遊びや学びを通じて「社会につながる人間力」を育む新しい形の学童保育を展開しています。
まとめ
『子どもの人生が変わる放課後時間の使い方』は、放課後の時間がいかに重要であるかを示した、まさに今の時代に必要な一冊です。子どもたちの成長に寄与し、共に学び合える環境づくりのヒントが詰まっています。自分の子育てに役立つ知識として、ぜひ手に取ってみてはいかがでしょうか。