自分を大切にする心を育てる絵本
絵本『なのはないろのわたしのえ』は、子どもたちが自分の価値を理解し、自信を持つことの大切さを教えてくれるストーリーです。著者は、佐々木ひとみさん。彼女が描く温かい物語と、よしむらめぐさんの美しいイラストが魅力的に融合し、心に響く読書体験を提供しています。この絵本は、単なる物語ではなく、特に卒園や入学という重要な時期に、子どもたちが自分を認めて新たな一歩を踏み出すための励ましのメッセージを持っています。
物語の主人公は小さな女の子・くるみ。ある日、彼女は自分の描いた絵が友達や先生に理解してもらえず、落ち込んでしまいます。自分の絵が笑われ、自信を失ってしまったくるみは、帰り道に偶然美しい菜の花畑に出会うことで心を癒し、自分を取り戻すきっかけを得るのです。子どもたちは、くるみの心の揺れ動きに共感し、自分自身を見つめ返すことができるでしょう。
菜の花畑での体験は、くるみにとって魔法のような瞬間とも言えます。彼女が思わず感情を表に出したとき、そこに現れたのは蜂飼いのおじいさん。彼はくるみが描いた絵に対して、「この絵はお前さんの味がするね」とふと言います。この一言が、くるみの心に響き、彼女自身の個性を認める大切さを教えてくれます。おじいさんが語る言葉は、蜂蜜づくりに使われるみつばちの存在や、その過程を通じて、くるみが持つかけがえのない才能に気づかせるものです。
絵本の中では、蜂蜜がどのようにできるかを知ることもでき、子どもたちにとって科学的な興味を引き出す要素も含まれています。蜂飼いのおじいさんから教わる情報は、玉川大学のミツバチ科学研究センターの佐々木謙先生監修のもと、分かりやすく描かれており、親子で一緒に読むことで学びの楽しさも感じられるでしょう。
作:佐々木ひとみさんは、これまで多くの児童文学賞を受賞している著者であり、彼女の作品は情緒豊かでありながら、子どもたちに対する深い愛情が込められています。絵を担当したよしむらめぐさんも、大学で美術を学び、教員としての経験を活かし、色鮮やかなイラストで物語を一層引き立てています。
この美しい絵本『なのはないろのわたしのえ』は、2025年2月6日(木)に発売され、定価は1,650円(税込)。A4変型で32ページの内容で、世界文化ワンダーグループから発行されます。自分の存在を大切にする気持ちを育むこの絵本は、子どもたちが卒園や入学を迎える時期に、特におすすめしたい一冊です。ぜひ親子で手に取り、心を豊かにする時間を過ごしてみてはいかがでしょうか?毎日の生活に彩りを添える要素が詰まったこの作品は、生活の一部としてぜひ置いておきたい本です。