生理の悩み、子どもたちに寄り添う新たな支援体制が始まります

認定NPO法人フローレンスが実施した生理のつらさに関するアンケート結果によって、多くの子どもたちが生理による悩みや困難に直面していることが明らかになりました。今回の調査は、生理を経験したことのある成人と子どもを対象に行い、384件の有効な回答が得られました。

子どもたちの生理の現実

調査によれば、回答した子どもたちの約9割が「生理のときにつらいと感じる」と答え、71％が「生理によってやりたいことができなかった」と感じていることが分かりました。特に、学校生活において授業や体育活動、さらには水泳の参加を制限されることで、彼らの学びや成長が制約されている様子が浮き彫りとなっています。

このような結果は、子どもたちに生理の影響がどれほど重くのしかかっているかを示しています。具体的には、79％が授業に集中できなかったと回答し、64％が体育や水泳に参加できなかったと答えています。これらの困難は、学業成績や社交性にも影響を及ぼし、子どもたちの将来の選択肢を狭めているかもしれません。

大人の振り返り

さらに大人たちに自身の子ども時代について振り返ってもらった結果、91％が「生理のときにつらいと感じたことがある」と回答しています。多くの人が過去に抱えていた問題が、現在の子どもたちにも同様に引き継がれている現実が見えます。

受診状況

子どもたちの受診経験は、特に重要なデータです。調査によると、自己報告によると約3割の子どもが生理に関して医療機関を受診したことがあると答えていますが、診療が必要とされる要件に該当する子どもたちの中で、50％以上が未受診の状態にあることも示されました。これは、今後の医療提供の形として大きな課題となります。

実際に、月経困難症スコアにより「要受診」とされる基準を満たしている子どもたちの中でも、実際の受診をしない理由として、「親に知識がなかった」「医療に対する不安感」といった意見が寄せられています。このように、医療へのアクセスが難しいという現実があるのです。

フローレンスの取り組み

この問題解決のため、フローレンスこどもと心クリニックでは2025年6月から「小学生からのピル外来」を開始することが発表されました。このクリニックでは、初潮を迎えた子どもたちが快適に生活できるように、専門的な支援とケアを提供していく予定です。生理に関する正しい知識を子どもたちに提供し、彼らの健康を維持し、より良い生活を送れるようにサポートすることが重要です。

生理にまつわる教育

生理というテーマは、あまり語られずにきた側面もありますが、今後は親や教育機関もこの問題に目を向ける必要があります。子どもたち自身が安心して生理について話せる環境を整えていくことで、彼らの健康を守るだけでなく、社会全体の意識も高めていきたいと思います。

未来に向けて

今後、フローレンスは「生理は一人で抱えるものではない」というメッセージを広め、子どもたちが安心して医療サービスを利用できる仕組みづくりを進めていきます。また、親や教育者が生理について正確な知識を持つことも、コミュニケーションを促進し、子どもたちのストレスを軽減する手助けとなるでしょう。これらの取り組みを通じて、これからの世代にとってより良い環境を整えていくことが私たちの使命です。