ブックスタート活動の概要
日本におけるブックスタートの取り組みは、2001年から始まり、赤ちゃんたちの幸せ(well-being)を育むことを目的としています。このプログラムでは、ボランティアたちが地域に根差した形で絵本を赤ちゃんに届ける活動が行われています。絵本を渡すだけでなく、赤ちゃんとのふれあいを重視し、親子の絆を深めるための「体験」を提供することが大切にされています。
世界に広がる「絵本を贈る」活動
1992年にイギリスで始まったブックスタートは、今や世界中で同様の活動が展開されています。2018年には「Global Network for Early Years Bookgifting(GNEYB)」が設立され、ヨーロッパ、アフリカ、中東、アジア、オセアニア、北米、南米など、32の国と地域が参加しています。毎年、約1,500万人の赤ちゃんや子どもたちがこの活動の恩恵を受けています。
初の対面カンファレンス開催
2025年6月、ベルギー・ブリュッセルで初の対面状態での国際カンファレンスが開催されます。このカンファレンスでは、日本のNPOブックスタートが参加し、過去25年間の活動がどのように世界へ影響を与えているかを発信します。日本の運営モデルは国際的にも高く評価されており、特に教育的効果以上に赤ちゃんの幸福を重視する姿勢が注目されています。
情報共有と活動支援
GNEYBは、ブックスタートの実践的なノウハウをまとめた「Bookgifting Program Toolkit」を製作しました。このツールキットには、活動の立ち上げや運営、持続的な支援のための情報が盛り込まれており、多くの部分に日本の経験が反映されています。
EUや世界銀行からの関心
カンファレンスは、EUReadの年次総会と併催され、世界銀行の関係者も参加予定です。世界銀行は最近、「Read@Home」プロジェクトを通じて、発展途上国の子どもたちの読書支援に力を入れています。「読書」が子どもの幸福に与える影響についての関心が高まっています。
まとめ
日本のブックスタート事業は、地域の人々が赤ちゃんに絵本を届けることで、育ちの環境を豊かにすることを目指しています。この25年間の実践が、今、世界中の赤ちゃんたちのwell-beingに貢献していることは、非常に意義深いものです。この活動が国際的に広がり続けることで、もっと多くの赤ちゃんが幸せな育ちを享受できることが期待されます。