子どもが調理で得る笑顔の秘訣──オキシトシンの活用法
最近の研究が明らかにした、子どもの自己主体的な調理体験がもたらす素晴らしい効果についてご紹介します。キユーピー株式会社によれば、子どもが積極的に調理に関わることで、唾液中のオキシトシン量が増加することが確認されたといいます。この研究成果は2025年に行われた日本機能性食品医用学会で発表され、見事に最優秀演題賞を受賞しました。
調理体験がもたらす関係性の変化
キユーピーは、親子で一緒に行う共同調理が子どもに良い影響を与え、親子の関係構築に寄与することを以前から報告しています。今回の研究では、小学生32名を対象に、特に「幸せホルモン」として知られるオキシトシンに着目し、調理前後の変化を測定しました。
方法と結果
調理の内容は、野菜や卵を使ったホットドッグを作るというものです。子どもたちが主体的に、生地をこねたり、トッピングをしたりする過程に参加しました。この調理体験前後で、唾液中のオキシトシン量を比較したところ、調理後に著しい上昇が見られたのです。
また、調理体験を行った結果、親子の調理の頻度にかかわらず、オキシトシン量が上がる傾向が確認されました。これは、調理の前にオキシトシン量に差があった場合でも、調理後にはその差が解消されることを示しています。さらに、保護者の就労状況によっても、調理体験後にはオキシトシン量が均一に向上し、家庭環境に関係なく子どもたちに良い影響をもたらすことがわかりました。
オキシトシンの効果とは?
オキシトシンは主に人との関わりや触れ合いによって分泌されるホルモンです。愛情ホルモンとも呼ばれ、安心感を与えたりストレスを減らしたりする作用があります。近年では、親子の絆を強めたり、他者への信頼感を高めたりするための重要な役割を持つホルモンとして、注目されています。
キユーピーの取り組み
キユーピーは、2030ビジョンで「子どもの笑顔のサポーター」を掲げ、自社のさまざまな取り組みを通じて子どもの健康をサポートしています。出前授業や野菜教室など、体験機会を提供し続けていることが、子どもたちの未来にどれだけ寄与するかを考えると非常に意義深いです。
これからも、このような研究結果や食育活動を通じて、子どもたちの笑顔があふれる未来を創り出す手助けをしていきたいと思います。調理体験を通じて子どもの自信や親子の絆を深める機会を大切にしていきましょう。