不登校の子どもと向き合うために
不登校は、親にとっても深刻な問題ですが、著者の野々はなこさんが自身の経験と長年の教師としての知識を基に、悩む親たちに向けて貴重なアドバイスを提供します。2025年2月12日発売の『誰にも頼れない 不登校の子の親のための本』は、今後の子どもの成長に向けた具体的な道筋を示しています。
不登校の現状
文部科学省のデータによると、2023年度には不登校の中学生が21万人を超え、高校生も6万人以上に達しています。この状況を受け、著者が提唱する不登校の子どもに対する接し方が必要です。
不登校の子どもが歩む道
著書では、不登校の子どもが辿る回復段階について詳しく説明されています。具体的には、以下の5つの段階が挙げられます:
1.
葛藤期(1カ月〜3カ月): 学校に行きたくない思いと登校しようとする葛藤から体調を崩します。
2.
諦め期(1カ月〜2カ月): 身体の不調は改善するものの、生活リズムが乱れます。
3.
お籠もり期(6カ月〜1年): 家の中にこもりがちになり、心の回復の兆しが見えます。
4.
扉開く期(6カ月〜1年): 前向きな言葉を発し、少しずつ外出の意欲が芽生えます。
5.
挑戦期(3カ月〜1年): 学校やアルバイトといった社会との接点を持ち始めます。
これらの段階を理解し、適切に接することで、親子の信頼関係が深まります。
諦め期における親の役割
特に「諦め期」と呼ばれる時期には、子どもが自分の思いに気づき、登校を諦めてしまうことが多いです。この際、親がどのように接するかが重要です。著者は、親子の信頼関係を再構築するために、3つのステップを提案しています。
1. 子どもに体を向け、作業を中断して注意を向けること。
2. 子どもの話を遮らずに共感し、その内容に喜びを示すこと。
3. 子どもの行動について具体的に質問をすること。
この方法により、子どもは親に対して「楽しい会話ができる」と感じ、本心を話すきっかけとなります。
これからの一歩を支える
本書は、教育のプロである著者が、自身の子どもたちが不登校から回復するまでの経験を元に、実践的なノウハウや心の寄り添い方を提案します。不登校の子どもに対して、どのように声をかけ、行動すれば良いかを理解することで、親も心の重荷が軽くなるでしょう。
不登校の問題は一朝一夕で解決するものではありませんが、本書を通じて少しずつ理解を深め、子どもとの信頼関係を築き上げることができるのです。子どもたちが幸せに成長できるよう、親としての役割を再確認してみてはいかがでしょうか。
書籍情報
- - 著者: 野々はなこ
- - ページ数: 296ページ
- - 価格: 1650円(税込)
- - 発行日: 2025年2月12日
ぜひこの本を手に取り、あなた自身とお子様の未来をより良いものへと導いてあげましょう。