小中学生とAIの利用実態
近年、人工知能(AI)の進化は目覚ましく、特に子どもたちにとっても身近な存在になっています。ニフティ株式会社が実施した調査によると、小中学生の約4割が学習面でAIを積極的に利用していることがわかりました。この調査では、1,430名の子どもたちを対象にAIの利用経験やそのルールについて尋ねました。
AIを利用する理由
調査によると、子どもたちがAIを使う方法は多岐にわたります。特に多かったのは、わからない問題の解説や宿題の丸付けです。また、タイマーをセットする際にもAIが重宝されています。AIの活用により、勉強がよりスムーズに進む様子がうかがえます。
AIアシスタントとChatGPTの利用状況
子どもたちが最もよく使うAIは、AlexaやSiriといった音声アシスタントで、実に約80%が使用経験があります。一方、文書生成AIのChatGPTについては、半数以上が利用したことがあると回答しています。中学生になると、さらにその割合が高くなり、AIの活用が進んでいることが示されました。
学習におけるAIの利用率
勉強や宿題の際、AIを使用したことがあると答えた学生は全体の約4割にのぼり、小学生よりも中学生の方がその割合が高いことがわかります。具体的には、作文の構成を考えてもらったり、数学の問題について解説を受けたりするという声が多く寄せられました。AIはあくまで「補助」として使う場合がほとんどで、「宿題全体を任せた」との回答は少数派でした。
ルールの決定状況
興味深いことに、AIの利用に関するルールを家庭や学校で設けている小中学生はわずか10%未満でした。多くの子どもたちが「特にルールを決めていない」と回答しています。ルールを設けている家庭では、「宿題には使用しない」、「タイマーのみ使用する」など、使用目的を限定しているようです。
未来のAIへの期待
AIの利用についての期待は多く、子どもたちからは「友達のように話せるAIが欲しい」という声や、「その日に合わせたファッションのアドバイスをしてほしい」といった具体的な希望が寄せられています。このような要望が実現すれば、AIは勉強だけでなく、日常生活にも深く関わってくるでしょう。
さいごに
AIの活用が進む中、特に教育分野においてはルールやガイドラインの整備が求められています。文部科学省が発表したガイドラインが改訂されるなど、今後はより一層、適切なAIの利用を促進する取り組みが必要とされるでしょう。子どもたちのAI利用が当たり前になる未来に向けて、しっかりとした知識とルール作りが重要です。