香川県さぬき市での特別な上映会
2025年2月2日、香川県のさぬき市にて、海ノ民話アニメーション「猿タカ合戦物語」の上映会とフィールドワークが行われました。このイベントは、子どもたちに海と人々の絆を知ってもらうことを目的とした「海ノ民話のまちプロジェクト」の一環として実施されました。日本昔ばなし協会と日本財団の協力により、地域の民話をアニメーションで表現し、参加者にその魅力を届ける試みです。
上映会の様子
当日、約200名の参加者が集まりました。さぬき市立津田小学校の児童と保護者たちは、上映が始まるとスクリーンに釘付けになり、物語に浸っていました。「猿タカ合戦物語」は、津田町の北山地区に伝わる民話で、参加者の多くは初めてそのストーリーに触れる場となりました。美しい海の風景や島々が描かれ、子どもたちの心にも深い印象を与えました。
フィールドワーク:知識と体験を深める
上映後は、さぬき市の文化財保護協会津田支部の支部長、渡邉寛さんによるフィールドワークが行われました。彼は、幼い頃から海岸線がどのように変化してきたのかを語り、66年前の昭和南海地震による影響や、地域の護岸工事にかかる時間について、実体験を交えて教えてくれました。自然の大切さについて深く考えさせられた子どもたちは、渡邉さんの言葉に真剣に耳を傾けていました。
アフレコ体験:声の表現を楽しむ
次に、児童たちが「猿タカ合戦物語」のアフレコ体験に挑戦しました。言葉を持たない猿やタカの気持ちを考え、それを声で表現するという難しい挑戦です。アニメに合わせて声を出すことに苦労しながらも、彼らは楽しみながら取り組み、民話の一部を体験しました。校長先生は、民話を通して子どもたちが自由に想像力を広げて学ぶことを期待しています。
参加者の感想
参加した子どもたちの感想も印象的でした。一人の女の子は「地元にこんな民話があることを知らなかった。アニメになっていて分かりやすかった」と語ってくれました。また、小4の男の子は「海や砂浜が沈んだ話を聞いて怖くなった」と感想を述べました。地域の自然を守るために、自分たちにできることを考えたいという声もあり、参加者それぞれがこのイベントから学びを得たようです。
民話の大切さ
この上映会は、日本の海にまつわる民話を次世代に伝える取り組みの一環です。海と人々の関わりを理解し、自然を大切にする気持ちを育むことは、未来の地球を守るために重要です。これからもこのようなイベントを通じて、地域の文化や環境を守り、子どもたちにその大切さを教えていく必要があります。私たち大人も、子どもたちと共にその価値を学び、行動に移していきましょう。