生成AIの登場で子どもたちの学び方が変わる?
近年、生成AIに対する関心が高まっていますが、特に小中学生からはどのような意見が寄せられているのでしょうか?公益財団法人博報堂教育財団の「こども研究所」による調査結果をもとに、子どもたちがどのように生成AIを受け止めているのか、詳しく見ていきましょう。
生成AIに対する認知度と使用状況
調査によると、全国の小学4年生から中学3年生を対象に行われたこの調査で、生成AIの認知率は実に8割にも上りました。実際に使用したことがあると回答した子どもたちも全体の4割に達しました。さらに、60%の子どもが今後も生成AIを使用すると予測していることが示されています。
こうした結果から、生成AIはすでに多くの子どもたちの日常生活に浸透していることが伺えます。また、特に中学生は小学4年生よりも高い認知率と使用経験率を持つことが確認されました。
生成AIが学びに与える影響
生成AIを知っている子どもたちのうち、55.7%は「生成AIがあることで勉強のしかたは変わると思う」と答えています。彼らは生成AIによって自分の興味が深まることを期待しているようです。例えば、68.0%は「好きなことや興味のあることに詳しくなりそう」とし、58.9%は「工作やイラストなど、創作活動がよりよいものになる」と期待しています。
一方で、約40%は「自分で考えなくなりそう」とも言及しており、生成AIがもたらす新たな学びのスタイルには期待と不安が共存していることが見えます。
生成AIに対するイメージ
生成AIに対するポジティブなイメージも多く、80.1%が「楽しい」と感じており、73.2%が「味方」と思っているとのことです。しかし、安心や信頼性についてはまだ課題があり、これらの評価は半数を下回っています。多くの子どもたちが、生成AIを対話する存在として受け入れている中、賢く利用するための知識がまだ浸透していないことがうかがえます。
使用目的の多様性
実際に生成AIを使った経験のある子どもたちに、その使用目的を尋ねたところ、「わからないことを調べる」が最も多く、全体の約70%がこの目的で使用していることが分かりました。特に女子は、雑談や相談目的での使用が男子よりも高く、生成AIが共感を示すコミュニケーションツールとしても機能していることが示されました。
利用上の注意点
ただし、生成AIを使用する際の注意点についての認知は芳しくありません。例えば、「名前や住所を入力しない」ことを知っていると答えた子どもは35.8%にとどまり、全体的に危険性に対する認知は低いままです。これは利用が進む一方で、教育が追いついていない現実を浮き彫りにしています。
まとめ
生成AIは、子どもたちの学びに新たな可能性を秘めています。これからの教育現場での活用が進む一方で、しっかりとした知識と利用法の教育が不可欠です。保護者や教育者も巻き込んだ、より良い学びの環境づくりが期待されます。