子どもたちの言葉の成長を促す絵本『おもちゃかーしーて!』
新しい絵本『おもちゃかーしーて!』が2025年11月19日に登場します。本書は、武蔵野大学教育学部幼児教育学科の今福理博准教授が監修しており、1歳半から楽しめる内容となっています。これは、子どもたちが語彙を増やす時期である「語彙爆発期」を意識して作られた、二語文を練習できる絵本なのです。
二語文の重要性について
幼児期、特に1歳半から2歳半頃は、子どもたちの言葉が急激に増え、彼らは「二語文」を使い始める大切な時期です。今福准教授は、この絵本がまさにその瞬間を切り取ったものであると説明しています。例えば、「くるま!」ではなく「おもちゃかして」と表現することで、子どもたちは自分の気持ちをより具体的に伝え合うことができるのです。
このような言葉の発達は、単に語彙が増えるだけではなく、思いやりのあるコミュニケーションを育むためにも重要です。今福准教授によると、二語文を使えるようになることで、泣いたり手を出したりせずに、言葉で気持ちを表すことが可能になります。そして相手に優しく言葉をかけることで、友人との関係も深まるのです。
本書の魅力と内容
本書『おもちゃかーしーて!』は、ぞうさんが主人公の物語です。彼は友だちから車のおもちゃを借りたいと考えますが、まず「くるま!」と言ってみるも思うようにはいきません。すると、たまたま周りの友だちが「おもちゃかして」と言っているのを耳にし、それを学び取っていきます。このストーリーを通じて、子どもたちは自然に二語文を身につけることができるのです。
さらに各ページには、ことばの発達や場面の意図に関する解説が添えられており、大人も一緒に学べる工夫がされています。また、親や保護者が子どもと接する際の「声かけ」についても詳しい指導が記されています。このような工夫から、親子での読み聞かせがより楽しく、意義深い体験になるでしょう。
読むことの楽しさを教えよう
『おもちゃかーしーて!』は、ただ単に絵本を読むだけでなく、子どもと一緒に会話を楽しむきっかけを提供します。お子さんが言葉にしようとしている感情を受け止め、日常の遊びやコミュニケーションに結びつけてあげることが大切です。
最後に、今福准教授の言葉を借りれば、「おもちゃかーしーて!」という言葉は、子どもたちの成長を象徴するものです。この絵本を通じて、子どもたちが自らの意志や感情を言葉で表現できるようになり、豊かな人間関係を築く手助けになることでしょう。ぜひ、手に取ってみてはいかがでしょうか。