海と森のつながりを学ぶ信州カツオ調査隊の体験記
日本の食文化を支える重要な存在、鰹節。その主材料であるカツオは、海のものだけでなく、陸の資源とも深い関係があります。2023年7月30日から8月1日にかけて、長野県の小学生たちが参加した「信州カツオ調査隊」では、この海と森のつながりを学び、自分たちにできることを考える時間が提供されました。
プログラムの概要
このプログラムは、次世代へ豊かで美しい海を引き継ぐための取り組みで、子どもたちに漁業や林業の課題を理解してもらうことを目的としています。長野県内の異なる小学校から集まった5、6年生20名は、伊那市や静岡県の浜辺を訪れ、様々な体験を通じて学びました。
体験の流れ
プログラムは、林業の体験からスタートしました。アカマツの伐採を見学し、伐採された木の枝払いや薪割りに挑戦。力を合わせて作業をする中で、林業の大変さと大切さを体感しました。彼らは、自分たちで割った薪を、鰹節の生産者に届ける「リレー」の一環として持っていくことになっていました。
次の日、焼津市での鰹節作りの見学が行われました。冷凍されたカツオの仕入や鰹節の製造工程を学ぶ中で、児童たちはカツオと鰹節がどのようにして作られるのか、そしてそれに使われる薪の重要性を理解しました。実際に薪を使った燻製の様子を見学し、地元の薪が鰹節作りに欠かせないことを学びました。
海での最終体験
プログラムの最終日、児童たちは御前崎港に向かいました。ここでは、カツオ漁の実際や、競りの様子を見学しました。実際の漁協の方から講義を受け、海が抱える問題、特に気候変動の影響についても教えられ、多様な視点を持つことが求められることを実感しました。
学びの成果
3日間のプログラムを通して、児童たちは「海と森のつながり」を深く理解し、環境問題に対する意識を高めました。最終日の発表会では、「温暖化を防ぎたい」「海と森のつながりを周囲に伝えたい」といった力強い決意が語られ、責任感と未来への希望が込められていました。
参加した児童・保護者の声
参加した子供たちは、「普段できない貴重な体験ができた」「仲間と一緒に学べたことが良かった」と、その体験を振り返りました。保護者からは、子供たちの成長を感じ、プログラムがいかに実りあるものであったかが伺えました。
このプログラムは、海と森の両方の魅力を引き出し、次世代を担う子供たちに大切な「つながり」を育む素晴らしい機会となりました。