子どもたちを守る法教育プロジェクトの講演会
2023年11月14日、大牟田市の三池地区公民館で、アディーレ法律事務所による講演会「子どもたちがスマホを正しく使うために知っておきたいこと」が開催されました。本講演会は、主に中高生の保護者を対象に、SNSにおけるトラブルから子どもたちを守るための知識を深めることを目的としています。
背景と目的
スマートフォンの普及が進む中、特に子どもたちが直面するSNSのトラブルは深刻な問題となっています。アディーレはその解決に向け、保護者の知識を向上させ、家庭内でのオープンな対話を促進することを目的にこの講演会を企画しました。
講演内容のハイライト
講師として登壇した弁護士の長井健一氏は、現代の中高生のスマートフォン利用状況を明らかにし、具体的なトラブル事例とその法的側面について詳細に説明しました。
SNSトラブルの法的リスクと予防策
このセッションでは、SNSでよく見られる「既読スルーいじめ」など、ニュアンスが伝わりづらいトラブルが紹介されました。加害者にならないためには、まず「誹謗中傷は控える」「再投稿にも注意する」といった基本的なルールが重要であることが強調されました。
また、感情的な投稿を避けたり、信頼できない情報のシェアを控えることが、トラブルを減少させるための初歩的な対策とされています。これらのアドバイスに基づいて家庭内でも話し合いがされることが望まれます。
重大な犯罪リスクへの警鐘
次に、長井氏はマッチングアプリからの不審者接触や「闇バイト」、さらには麻薬への誘引など、特に若者を狙った新たな危険情報についても講義しました。参加者に対し、プライバシー設定の強化や知らない人からのメッセージを受け取らないこと、疑問を感じた際にはすぐに断ることを強く勧めました。
家庭でのルール作り
家庭内で定めるべきルールについても言及され、「個人情報を公開しない」「課金の上限を設定する」など、子どもが安心してスマホを利用できるための具体的な指針が示されました。また、トラブルが発生した際には必ず保護者に相談することが重要とされ、信頼関係を築くことがその基盤となることが強調されました。
保護者同士の意見交換
後半のグループワークでは、参加者同士が「スマホ利用における不安」「家庭でのルール設定」「子どもとの対話方法」「トラブル対応策」について意見を交わしました。このディスカッションを通じて、参加者は他の家庭の工夫や課題を学び、自身も知識を深める大切さを認識しました。
講演会を終えての感想
参加者からは、実際のトラブルを具体的に学べたこと、わかりやすい説明があり家族みんなで話し合える機会になったとの声が上がりました。地域見守り隊のメンバーも、親として子どもに寄り添うために自身の知識を深める必要があると実感したという意見を寄せました。
今後の展望
アディーレ法律事務所はこれまでに全国で60回以上の法教育活動を実施してきました。今後も引き続き、子どもたちが法律に関する知識を持つことで不利益を被らないよう、啓発活動を進めていく意向です。これに賛同するメディアからの取材も歓迎しており、共同で子どもたちを守る取り組みを広めていきたいと話しています。
このような教育が広がることで、より多くの家庭が安心してスマートフォンを利用できる日が来ることを期待しましょう。