ベトナムの子どもたちに笑顔と健康を届ける取り組み
2023年5月、森永乳業株式会社と国際NGOワールド・ビジョン・ジャパンが共同で始めた「Smiles & Health for Children」プロジェクトが、ベトナムの子どもたちの健康と栄養状態を改善するための重要な一歩を踏み出しています。このプロジェクトは、ベトナムのディエンビエン省トアンザオ郡における幼稚園での給食提供に焦点を当て、しっかりとした基盤を築くことを目指しています。
取り組みの背景
世界の子どもたちが直面する栄養不良の問題は深刻であり、特に発展途上国ではその影響が顕著です。ワールド・ビジョン・ジャパンは、子どもたちの健やかな成長を支えるために、地元の幼稚園での栄養教育や給食の質の向上に取り組んでいます。森永乳業も、食品業界の企業としてその力を活かし、ベトナムの子どもたちに栄養豊富な食材を供給することに協力しています。
1年次プロジェクトの成果
2024年4月に完了した第1年次事業の結果として、対象とした幼稚園における低栄養の子どもたちの割合は、開始時の20.7%から8.9%にまで減少しました。この取り組みが子どもたちの栄養改善に寄与していることが明らかになり、保健スタッフや教員のスキル向上にも繋がっています。また、園内での栄養教育向上のためのハンドブックも作成され、教員たちは各家庭に向けての食事改善の重要性を理解し始めています。
第2年次の活動計画
2024年6月から開始された第2年次事業では、すでに実施された活動の成果を基に、隣接するコミューンにある3つの幼稚園への支援も拡大します。具体的には、調理施設の環境改善や教職員の栄養に関する知識と技術の向上が目指されており、保護者とも一緒に子どもたちの健康を守るための取り組みを進めています。特に、給食の質向上に向けた厨房設備の整備が行われ、栄養価の高い食材を使用したメニュー作成にも力を入れています。
教員と保護者の連携
2024年11月には、教員と保健・栄養スタッフに対して、子どもたちの健康や栄養管理に関する研修が実施され、参加した教員は家庭との連携の重要性を再認識しました。また、12月には保護者向けの啓発セッションが行われ、ハンドブックを通じて提供された栄養や食品衛生の情報が高く評価されました。これにより、地域全体での栄養管理の意識が高まり、保護者も家庭での食事改善に努める姿勢が見え始めています。
未来への展望
このプロジェクトは、ただ単に給食の質を改善するだけでなく、地域全体の栄養教育を向上させることを目指しています。今後も、調理施設の改善を進める中で、教職員や地域の保護者たちが一丸となって子どもたちの栄養状態を改善していく姿勢が大切です。「Smiles & Health for Children」の取り組みが、ベトナムの子どもたちに明るい未来をもたらすことを願っています。