インクルーシブな公園
2025-12-12 15:38:26

北九州市が目指すインクルーシブな公園づくりの挑戦

北九州市の挑戦 - 全ての子どもが主役



北九州市小倉北区に位置する山田緑地では、すべての子どもたちが主役になることを目指した素晴らしいプロジェクトが進行しています。この秋、6,000人以上の親子が集い、「インクルーシブな遊びの体験会」が開催され、親子の笑顔が溢れました。このプロジェクトは障害の有無にかかわらず、全ての子どもが一緒に楽しめる場を提案しています。

体験会の目的と内容



2025年9月27日から10月19日までの20日間、山田緑地では「遊びながら聞く、インクルーシブな遊び」というテーマのもと、インクルーシブ遊具の体験会や自然観察を行いました。この取り組みは、単なる遊具の設置にとどまらず、地域の人々が「新しい居場所」を必要としているという声に応えるものです。

「障害のある弟と一緒にブランコに乗ることができて幸せでした」と話す子どもの声が、地域が抱えるさまざまな課題を浮き彫りにしました。このイベントを通じて、北九州市は公園の実現に向けた具体的な一歩を踏み出しました。

きっかけは親たちの声



この挑戦は、昨年度の特別支援学校に通う保護者へのアンケートから始まりました。多くの保護者が「誰もいない早朝5時にしか公園に行けない」との声を寄せており、子どもたちが周囲に迷惑をかけないように配慮しなければならない現状が明らかになりました。

それに対する子どもたちの率直な声もありました。「弟と一緒に遊びたいが、遊べる遊具がない」という切実な思いが、このプロジェクトの根底にあります。北九州市は「こどもまんなかCity」として、大人の価値基準ではなく、子どもたちの目線で公園づくりを進めていく決意を固めました。

「遊び」から生まれる新たな関係



体験会を通じて、見えた現実は多岐にわたりました。例えば、二人の兄弟が障害の有無に関係なく同じ遊具で遊べることの喜びが、新たな家族の絆を生んでいることが印象的でした。「年の離れた兄弟が同じ遊具で一緒に笑い合った」と語る親の姿からも、その効果を感じ取れました。

また、大人たちの目にも新たな発見がありました。「車椅子の子どもが普通の遊具では遊べないことに初めて気づいた」という声や、「地域にこんなにも多くの障害のある子どもがいることを知り、必要性を感じた」という意見が多く寄せられました。

未来を見据えた公園づくり



今回の体験会は、北九州市にとっても重要な「学び」の場となりました。「楽しかった」という感想だけでなく、「もっとこうしてほしい」という改善の声も多く寄せられ、地域のニーズに応えるための貴重な情報を得ることができました。

北九州市は、単にインクルーシブな遊具を設置するのではなく、障害の有無にかかわらずすべての子どもが尊重される場所を創出することを目指しています。そのために、障害のあるお子さんを持つ家庭へのアンケートや支援団体との意見交換を通じて、より良い公園の実現に向けた取り組みを進めていきます。この挑戦は始まったばかりですが、皆の声を大切にしながら、地域の貴重な場所を育てていくために北九州市は歩みを続けていきます。


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