付き添い入院の現実とは?
近年、全国で小児科の人手不足が深刻化する中、入院している子どもに付き添う親の負担が社会問題となっています。そんな中、認定NPO法人キープ・スマイリングが発行した「付き添い白書2025」は、1,198名の家族と全国242の医療機関を調査し、その実態を可視化しました。
調査の背景
付き添い入院は、親が病室に寝泊まりし、看護師の代わりに子どもの世話をすることが多く、心身ともに大きな負担が伴います。この問題に対処するため、国は診療報酬の改定や新たな補助制度を創設しましたが、実際の状況は依然として厳しいものです。調査では、当事者家族の声を集め、制度改正がどれだけ現場に影響を与えているのかを探ることが目的でした。
調査結果の要点
調査結果によれば、付き添い入院の環境には改善の兆しも見られるものの、依然として課題が多く残っていることが分かりました。以下に主要な結果をまとめます。
1.
生活環境の改善
- 患者家族の熟睡感が85.4%から80.0%に減少し、病院食の提供がないとの回答も減少しました。
- 一方で、8割以上の家族が依然として睡眠に問題を抱えています。
2.
選択肢がない付き添い
- 75.0%の家族が病院から付き添いを要請されている現実が明らかに。家族が付き添いを選ぶ余地がないことが問題です。
3.
健康状態の悪化
- 58.9%の家族が体調を崩した経験があり、82.6%が十分な支援を受けられなかったと回答しています。
4.
経済的負担
- 付き添い期間中の経済的不安を感じる家族が78.1%に達し、厳しい家計状況が浮き彫りとなりました。
5.
医療機関の課題
- 82.2%の医療機関が家族に看護の代替をさせない環境は整っていないと認識しています。
また、33.3%の病院が新たに設立された補助制度を知らないという調査結果も出ました。これは、国が支援を提供しても、現場に情報が届かなければ意味がありません。地域によって制度の周知具合にも差があり、改善のスピードにばらつきが見られます。
今後の取り組み
調査結果を受け、キープ・スマイリングでは、付き添い環境を改善するための支援事業を開始する予定です。病院向けに「付き添い環境改善よろず相談所」を設立し、物資支援や先進事例の紹介を行い、病院同士が学び合う環境を整えます。
また、小児病棟に対する支援プロジェクトを立ち上げ、クラウドファンディングによってさらなる支援を呼びかける考えです。これにより、付き添い家族が安心して子どもに寄り添える環境づくりを目指します。
結論
「付き添い白書2025」からは、入院に伴う子どもと家族の現状が浮き彫りになり、多くの課題が明らかとなりました。家族が健康を維持しながら、経済的にも安心できる環境を整えることが求められています。今後、国や地域、医療機関が連携して、改善に向けた支援が続けられることを期待します。