地域コミュニティが連携した坊勢島AEDマップの意義と成果

最近、坊勢島で消防署と地元の小学生が協力して作成した「坊勢島AEDマップ」が話題を呼んでいます。このマップは、島内に設置されている自動体外除細動器（AED）の場所を示しており、緊急時に素早くアクセスできる情報を提供することを目的としています。

AEDマップの概要

「坊勢島AEDマップ」とは、急な心停止や心筋梗塞が発生した際に依頼すべきAEDの位置を明示した地図です。飾磨消防署坊勢出張所の調査をもとに、姫路市立坊勢小学校の2年生が島内の9箇所に加え、坊勢救急隊を含めて計10箇所のイラストを作成しました。この活動は、地域の安全を高めるための重要な取り組みとなっています。

目的と背景

今回のAEDマップ作成の背後には、心肺停止状態に陥った場合の迅速な対応が求められる状況があります。心室細動などの急性心筋梗塞の緊急時には、時間が命を左右します。AEDの位置を知り、修得した心肺蘇生の技術を活用することで、救命率を向上させることが目的なのです。また、子どもたちと一緒に活動することで、彼ら自身が命の大切さや緊急時の行動について学ぶ機会となり、次世代への救命教育が進むことを期待しています。

小学生との連携

小学生との共同作業は、地域の防災教育においても大きな意義を持ちます。児童が自分たちの島の安全について考えることで、地域への愛着が深まり、危機管理意識も育まれます。子どもたちが手がけたイラストは、AEDの設置場所をより身近に感じさせ、地元の仲間たちにもその重要性を伝える役割を果たしています。

作製の効果

マップ作成以降、AEDの使用方法を学ぶ救急救命講習会の依頼が急増しています。7月の時点での依頼は、過去5年の年間平均の3倍に達し、島内で新たにAEDを設置したいとの要望も寄せられるようになりました。これにより、AEDの設置場所も増加し、さらなる地域防災力の向上に貢献しています。

最後に

このように、坊勢島AEDマップは、地域の協力によって作成されただけでなく、地域住民の意識を高める重要な役割を果たしています。緊急時に備え、AEDの設置場所を知っておくことの重要性を改めて感じさせる取り組みであり、皆さんの地域でもぜひ類似の活動を実施してほしいと思います。皆で手を取り合い、命を守るための知識を深めていきましょう。