海を守る未来を育む「お寿司で学ぶSDGs」出張授業の全貌
11月13日から19日までの間、島根県の小学校で「お寿司で学ぶSDGs」と題した出張授業が開催されました。これは一般社団法人海と日本プロジェクトinしまねとくら寿司株式会社の共同企画で、松江市内の4つの小学校から342人の児童が参加しました。
取り組みの背景
このプログラムは、次世代に美しく豊かな海を引き継ぐことをテーマにしています。子どもたちが海洋環境や食品ロス、未利用魚の活用について学ぶことを目的としており、島根県での開催は初めてです。特に、地域の海で起こっている漁業の現状や環境問題を理解することは、子どもたちにとって重要な学びとなります。
授業の一環として、昨年夏に隠岐島前で行われた「隠岐めしと歴史 探検隊」の体験学習動画が上映されました。これにより、海の豊かさや漁業の問題について理解を深めることができました。
お寿司と海の未来
授業の冒頭では、日本の漁業が抱える課題が説明されました。具体的には、資源の減少や気候変動による魚種の変化、漁業従事者の減少などが挙げられました。子どもたちは将来、お寿司に魚が使えなくなるかもしれないという事実に衝撃を受け、代わりに玉子焼きやコーン、シャリだけのお寿司の模型を見せられ、改めてその重要性を実感しました。
この未来のお寿司模型を見た子どもたちは、驚きの声を上げていました。一方で、くら寿司では未利用魚の活用に取り組んでいることを説明し、リアルな魚の模型を使って低利用魚との比較も行いました。子どもたちはその模型を触りながら、良く食べられている魚とあまり食べられない魚を見分ける楽しさを味わっていました。
お寿司屋さん体験
続いて「お寿司屋さん体験ゲーム」が行われました。子どもたちはお店チームとお客チームに分かれ、回転寿司のレーンを利用してリアルな体験をしました。このゲームでは、過剰提供や食品ロスの問題を体感し、楽しみながら重要な問題を学んでいきました。子どもたちは寿司ネタの人気ランキングを元に予想をし、廃棄がどのように発生するのかを実際に体験しました。
解決策の提案
授業の後半では、食品ロスや低利用魚の活用についてグループで話し合い、実際に考えた解決策を発表しました。「低利用魚を美味しく調理する工夫」「給食を残さず食べる」といった実生活に基づいたアイデアが飛び出し、子どもたち自身が環境問題に取り組む姿勢を見せました。
くら寿司の講師からは、「今日学んだことを家族に伝えていこう」とのメッセージもあり、子どもたちはただ学ぶだけでなく、その知識を広める大切さも感じられたようです。
参加した子どもたちの感想
授業を受けた子どもたちからは、「ゲームを通して食品ロスを理解した」「隠岐の動画で漁業の現状を知り、環境問題に興味を持った」といった感想が寄せられました。また、他の小学校でも子どもたちの参加意欲が高く、楽しみながら学んでいる様子が伺えました。
くら寿司の広報担当者は、「SDGsは難しいとも思われがちですが、身近なお寿司を通じて問題を理解し、解決策を考えることが何より大切です」と述べ、今後の活動にも期待が寄せられています。
今後、海と日本プロジェクトinしまねは、多様な企業や団体と連携し、引き続き海の現状について伝え、未来への取り組みを進めていく予定です。