卒業アルバムの日に考える、記録としての意味とその価値
毎年7月24日は「卒業アルバムの日」として定められています。この日を前に、保育テックサービスを提供する千株式会社が全国の保護者868人に対して行った「卒園・卒業アルバムに関する意識調査」が発表されました。保護者自身の卒アルの利用状況と、子どものために残したいという思いのギャップから、卒業アルバムの価値とそのあり方について再考する機会が与えられました。
調査が示したギャップとは
調査の結果見ると、保護者の多くは自分の卒園・卒業アルバムを「ほとんど見返さない」と答えていますが、子どもには是非そうした記録を残したいという思いを抱いていることが分かりました。具体的には、65.5%の方が「ほとんど見返さない」と回答した一方で、67.3%は子どもにとってこれが「大切な思い出である」と期待しています。このギャップの背景にあるのは、親になったからこそ感じる「記録を残す意義の変化」と、テクノロジーの進化による記憶の形の変化です。
私たちが過去に持っていたアルバムからの記憶は、今や写真、動画、音声など多様な形に変わり、静的な記録から日常的に共有する動的な記録へとシフトしています。この時代変化の中で、卒業アルバムはただの記録ではなく、親子の思い出や価値観が交差する重要な場として再評価され始めています。
卒業・卒園アルバムの歴史
卒業・卒園アルバムの歴史を振り返ると、明治初期から現在まであまり大きな変化がなく、それがようやく平成の後期からデジタル化の波を受け、やっと多様化が進んでいます。保護者自身のアルバムとしては61.7%が実家に保管されており、物理的な制約から見返す機会が少ない状況が浮かび上がりました。見返さない理由は「取り出しにくい」や「多忙で見る時間がない」といった現実的な問題が影響しています。
子どものためのアルバムの役割
子どもにとっての卒園・卒業アルバムは、「成長を振り返ることができるツール」として役立つことが調査で裏付けられています。68%の保護者がこの点を重視しており、さらに55.4%は「家族で思い出を共有するツール」としての役割に期待を寄せています。また、デジタルデータとの連携を希望する声も多く、「記録」という概念が「振り返り」や「共有」という意味合いを持っていることが強調されています。
卒業アルバムから見える未来
今後、卒業アルバムは「保存」から「体験」を重視した形に進化し、親子のコミュニケーションツールとしての役割を果たす可能性が高まります。「はいチーズ!」は、こうした変化を通じて、家族の未来が豊かなものであるように願っています。卒業アルバムの日を機に、記録が家族のつながりを深め、思い出を育む貴重なツールとなることを期待しています。
調査概要
この調査は2023年6月28日から7月22日の間に行われ、対象は「はいチーズ!」の会員で未就学児及び学校に通う子どもを持つ保護者868名です。詳細な数字や調査対象ごとの傾向に関しては、必要に応じて個別に提供可能です。デジタル化の流れの中、これまでの価値観を再考する良い機会かもしれません。