岐阜県飛騨市で進化する地域防災、中学生の挑戦とは

岐阜県飛騨市で進化する地域防災、中学生の挑戦

岐阜県飛騨市は最近、ゲリラ豪雨や線状降水帯による激しい雨を受け、河川の氾濫や土砂崩れといった深刻な自然災害に直面しています。このため市は、これまでの被災経験や地域特性を生かし、防災力を強化するための施策を進めています。特に、11月15日（土）には市内の中学生と防災士、地域住民が一堂に会して、実践型の避難所運営訓練を行います。この取り組みは、地域の未来の防災を支える若者たちの挑戦として注目されています。

実施概要

訓練の日時と場所

訓練は11月15日の午前8時20分から午後2時まで、飛騨市立古川中学校で開催されます。対象者は古川中学校の1年生120名、防災士70名、地元住民30名、高校生20名、一般参加者10名を含む、約250名が見込まれています。

訓練の内容

訓練は午前中に開会式と講義が行われ、その後、避難所運営に関連するワークショップや実際の運営訓練が続きます。具体的には、避難所の受付や案内、トイレの利用、炊き出しによる食事の提供方法など、多角的な内容が含まれています。特に、トイレやキッチン、寝床を整える「TKB」の重要性を学ぶことで、参加者は実用的な知識を身につけることを目指しています。

人口減少時代の防災

少子高齢化が進む飛騨市では、従来の行政主導の防災から、地域住民や若者たちが自発的に防災に関与する仕組みへと変わっています。防災士を中心とした新たな「避難所運営協力防災士制度」が2023年度に設立され、地域の防災力を高めるための具体的な取り組みが進められています。これにより、市内には290名の防災士が在籍し、その内の77名が協力防災士として活動しています。

災害関連死を防ぐために

日本全国での避難所生活における課題を踏まえ、飛騨市では長期避難を視野に入れた訓練を行っています。「TKB」の概念を用いて、避難所の生活環境改善に向けた取り組みが求められています。講師には現場での経験が豊富な専門家が招かれ、参加者には避難所運営の実態を学びながら、自身の体験を通して防災意識を高めることが期待されています。