村上市で鮭を通じて学ぶ「海・川・森」ワークショップ
11月15日、新潟県村上市にて、一般社団法人海と日本プロジェクトin新潟実行委員会が主催する「鮭で繋がる『海・川・森』ワークショップ」が開催されました。このイベントは、新潟県内の小学4年生から6年生まで25名の子どもたちが対象で、鮭を中心に海・川・森の自然体系について学ぶことを目的としています。
ワークショップの概要
このワークショップは、豊かな自然環境を次世代に引き継ぐため、特に海を介した人と人とのつながりを大切にするプロジェクトの一環です。参加した子どもたちは、村上市の鮭文化や木育体験を通して、環境の大切さを深く理解することができました。
鮭の漁法見学
最初に訪れたのは、三面川。ここでは、江戸時代から続く伝統的な鮭の漁法「居繰網漁」と「ウライ漁」を見学しました。三面川鮭産漁業協同組合の佐藤克雄組合長から、鮭の生態や近年の漁獲量の変化についてのお話があり、子どもたちは現代の環境問題が漁業に与える影響についても学びました。
実際に、居繰網漁とウライ漁で計4匹の鮭を獲ることができ、捕れたばかりの鮭に触れた子どもたちの表情は興奮そのものでした。特に、近年の漁獲量の減少という現実を目の当たりにし、環境問題への意識が高まりました。
鮭の孵化場を訪問
さらに、特別に鮭の孵化場も見学しました。そこでは、管理された水温で育てられる鮭の卵や、成長する鮭を見て、子どもたちはその成長の過程を学びました。海や川の重要性についても理解を深め、鮭の生態系全体を学ぶ貴重な体験となりました。
昼食体験
昼食の時間には、村上市の歴史ある料亭「能登新」を訪れ、特製の鮭料理を楽しみました。料理長の山貝誠さんから、鮭のさまざまな部位を利用した料理の説明があり、子どもたちは「命の大切さ」を感じながら、一口一口味わいました。
森と海の関係を学ぶ
午後は、朝日地区公民館に移動し、森林保全活動を行っている「次世代の集い」のメンバーと合流。海に栄養を供給する森や川の役割についての講演が行われました。実際にノコギリを使って木材加工を体験し、オリジナルのペン立てを作るなど、自然とのふれあいを深める場ともなりました。
参加者の感想
参加した子どもたちや保護者からは、多くの感想が寄せられました。「鮭が意外と大きいことが分かった」「料理が美味しかったし、命の大切さを学べた」との声があり、単なる知識の獲得だけでなく、実体験から価値を学ぶ機会となったようです。また、親がいない環境でも新しい友達を作ったり、貴重な経験をしたことも大きな収穫でした。
まとめ
この「鮭で繋がる『海・川・森』ワークショップ」は、ただ教育的な内容であるだけでなく、子どもたちに自然環境の重要性を体感させ、次世代に引き継ぐための貴重な経験を提供しました。今後もこのようなプロジェクトが続き、多くの子どもたちが海や自然に興味を持ち、環境問題について考えていくきっかけとなることを期待しています。